彼と彼女が握ったもの

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【ミリしらサクラ大戦視聴記】OVA『轟華絢爛』4~6話 公式配信の順序が大団円的だったと思うワケ

 サクラ大戦OVA公式配信もついにラストスパート。ミリしらサクラ大戦視聴記も今回で最終回となります。
今回は『轟華絢爛』後半3話についての感想となります。

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 前半3話と同様で独立した短編スタイルで展開されたのが4話「人情紙芝居・少年レッドよ永遠に」
紙芝居ヒーロー『少年レッド』の本が出版されるためその表紙モデルを依頼された紅蘭、父が表紙のデザインを担当することになった織姫の二人がメイン格となり、地上げトラブルに巻き込まれていきます。
情緒溢れる長屋を舞台としている点が興味深くありますが、最大の見所は花組が総力を挙げて「少年レッド」の世界観を演じながら地上げ屋を撃退するアクションシーンでしょう。
 長屋少年たちのヒーローは実在するという夢を守り抜いた紅蘭、花組たちの姿勢は役者であればこそなのかと考えます。




 5話「父と娘と」と続く6話「女たちの新時代」は連続した前後編ストーリーとなっており、『轟華絢爛』内に留まらず今回のシリーズOVA一挙配信のラストを飾るに相応しい傑作エピソードであったと思います。
 この前後編で描かれたのは戦いに送り出す大人たちの自罰的な心情、苦しい宿命の渦中にあっても決して心から光を失わない少女たちの眩しさ、原作ゲームを知らない自分でも根が深い『戦う』ということへ向き合った本音が洗いざらい曝け出された重厚なドラマに感銘を受けました。

 隊員たちの親代わりを自負しても"司令官"として帝都防衛を優先しなけれならない=隊員たちを如何に上手く戦わせるあるいは死なせることを考えなければならない、矛盾した立場を強いられる米田一基。
 父の一馬、娘のさくらと『破邪の血統』で家族を戦いへ追いやることを運命づけられた真宮寺家の苦悩。
 死の宿命を知ってもなお、知っているからこそ最期の時まで強く戦い抜いた真宮寺一馬の覚悟。

 後悔の念、鬼気迫るもの、大人たちが抱く感情に圧倒されます。

 その一方強いられるだけでなく、例えば大切な仲間、例えば大衆に夢と活力をもたらす芝居……とさくらを始めとした花組隊員たちが「戦い」だけに縛られていないという光明も提示されており、この希望が今回のサクラ大戦OVA一挙配信視聴後の素晴らしい余韻をもたらしているのだと個人的に感じました。
 現実の"大正"は女性の権利獲得に向けた運動が高まっていった時代ですが、
跡継ぎを残す使命をあくまでも建前として捉えているさくらの祖母や殿方に尽す以外の生き方もあり得ると語るさくらの母を見れば、
サクラ大戦の"太正"においてもそういった価値観の変化が確実に起こっていることが推察され、戦士と女性、二重の意味での『解放』が会話劇重視の前後編に大いなるカタルシスをもたらしているのでしょう。




 今回のミリしらサクラ大戦視聴記、全4シリーズを約1か月に渡っての視聴となりました。
あくまでも断片的なエピソードを見ているにしか過ぎないのでこれで『サクラ大戦』というシリーズを知り尽したとは言い切れませんが、
個性豊かなキャラクターたちの物語と様々な組み合わせから生じる化学反応、時代や場所を丁寧に写し込んだスチームパンクジャンルとしての面白味といった魅力を知ることは出来たと思います。広く深いサクラ大戦ワールドを構成するほんの数パーセントであっても。

 今現在放送されている新サクラ大戦のTVアニメは引き続き視聴していきますし、
今回のラインナップに入っていなかったOVA『神崎すみれ引退記念』『ニューヨーク・紐育』また劇場版『活動写真』もいずれ見てみたいと思います。
 出来れば原作ゲームをプレイしてどっぷり浸かりたい、と言いたいところですが調べてみるとハードの問題がなかなか厳しいんですよね……(笑)

 長年噂には聞いていたものの中々手を出せなかった新しい、そして素晴らしいジャンルに出会えたことに感謝を述べ、今回のブログ及び『ミリしらサクラ大戦視聴記』の締めとさせていただきます。




 余談ですがどことを、問わず厳しい時代であることは皆さんもご承知のところであり、次回以降の記事執筆予定が未定だったりします(語ろうと思っていた作品の展開が仕方なく中断されたこともあり)。
それでも定期的には何かしらの記事を投稿したいと思っています。
何かリクエスト等ございましたら、コメント欄でお気軽にお申し付けください。

 次回も乞う、ご期待!



【ミリしらサクラ大戦視聴記】OVA『ル・ヌーヴォー・巴里』

 今週配信されたのはOVA「ル・ヌーヴォー・巴里」ゲームサクラ大戦3終了後の時系列となるようです。


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ル・ヌーヴォー・巴里、フランス語で「新しいパリ」を意味するタイトルに沿うように大神が帝都へ帰国したため、隊長不在という一抹の不安を抱えた新たな巴里華撃団の戦いが描かれます。
これまでのOVAのように1話1話が独立したストーリーではなく、錬金術を用いる謎の敵・トゥールネル伯爵と戦うという縦軸の下に全3話が展開されます。
 個人的な印象としては上記にもあるように縦筋の強調、とりわけ「隊長の後任問題」という不安要素を前面に押し立てたことにより一つの流れの物語としてまとまりを持ったように感じます。
 トゥールネルとの決戦に際し満場一致でエリカが後任隊長に任じられる場面はあえて後任を指名しなかった大神の真意に一致しており、迫力ある戦闘シーン以上にここがOVA一番の見せ場だったのではないかと思います。

 縦筋はあるものの全3話の内容はバラエティに富んでおり、
1話は花火とコクリコ、2話はグラン・マの秘書メルとシーがそれぞれメインを務め、前作OVA「エコール・ド・巴里」で焦点が当てられなかったキャラクターの物語がこれで補完されます(あくまでOVAのみで見ればの話です)。
 また、巴里華撃団内部と外部の情報量の差が窺い知れるのも特徴で、
1話は花火の父親相手に華撃団の存在を誤魔化すが主題になっており、2話は華撃団の情報を探ろうとする英国情報部とのスパイ戦が描かれます。
パリが置かれた政治情勢や帝国華撃団との違いが見て取れて興味深いです。
 トゥールネル伯爵を支援していたマフィア、ドン・ジョバンニは建築業界と復興特需を目論み今回の騒乱を企てたことが終盤示唆されますが、こうした都市の政治模様を俯瞰する流れの中の描写なのかもしれません。

 霊子甲冑による戦闘は他作品と比べるといささか淡白である気はしましたが、敗北したトゥールネルに慈悲の祈りを捧げるエリカの眩さでトリを飾りたかったのだろうと納得は出来ます(1話で繰り出したホムンクルスが仇となり、対抗策の特殊弾が作りだされたことも明白に描写されています)。


  総評的なことを言えば、繋がったオリジナルストーリーで展開したため前作エコール・ド・巴里よりも物語に入り込める作品であったように思います。
原作ゲーム未プレイ者の感想です。




 来週の配信はOVA『轟華絢爛』後半3話となります。

 次回も乞う、ご期待!



【ミリしらサクラ大戦視聴記】OVA『轟華絢爛』1~3話、そして致命的なネタバレを見てしまったお話

 今回はサクラ大戦OVA『轟華絢爛』1~3話の感想となります。

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 時系列的には1話が初代サクラ大戦、2話以降がサクラ大戦2の時間軸でそれぞれ起きたエピソードとなっているようです。
2にて加わったソレッタ・織姫、レ二・ミルヒシュトラーセがいるためヒロインが8人の大所帯となった花組を描くのですが、
各話ヒロイン2名ずつのコンビ(正確に言えば主・副の組み合わせで、主ヒロインはその話のOPのメインボーカルを務めています)を中心に据えた物語となっており、また原作ゲームの本筋とは関わらない出来事を描いているため、軽快に進んでいく気持ち良さが印象に残りました。

 またそれぞれのエピソードは方向性が明確に差別化されています。
各話の感想と共にその点を語りましょう。


 過去と今の自分が抱える弱さに思い悩むマリア、彼女に助力するさくらを描いた
1話「紐育の怒れる刺客」は爆発、銃声、剣捌きとバトルパートが豊富なハードアクション。
生身で人型蒸気の攻略に挑むスリルが見所でしょう。
『桜華絢爛』では大神を触媒とした花組の結束を見ましたが、それとはまた趣向が違った隊員同士の信頼感で掴み取った勝利が胸に響いてきます。


 ひょんなことから帝劇を飛び出したアイリス、追いかけるレニを描く2話「水のある都市」はジュブナイル的色彩を輝かせるエピソード。
ゲーム未プレイの身としては、隊内で最も幼くそのように扱われることへ苛立ちを憶えるアイリスの心情へ繊細に迫っていくレニのバックボーンがとても気になる所です。
 活動弁士の解説がつく無声映画、紙芝居、帝都河川を巡る追走劇、祭り、帝都文化を堪能できる細かい描写に注目したいところ。



 3話「キネマの驚天動地」は神崎すみれ主演の映画撮影にて勃発する幽霊騒動のお話。犬猿の仲の桐島カンナにも焦点が当たります。
設定面から既にオカルティックな要素を持っている(とにわかな私には思えるのですが)サクラ大戦にて、ド直球な怪談物を持ってきたなという印象を感じます。
 不遜な言動が目立つ神崎すみれがかつて人気女優だった霊に女優論を真摯に語る姿は(OVA作品だけに限れば)とても珍しく、キャラへの理解が深まる1話であったと思います。




 と前半3話を楽しく見させてもらったわけなのですが、その過程で発生した珍事もあえてお伝えします。そのためのミリしら視聴記なので……。
 始まりはOP映像の『藤枝副司令官』の場面。
前回の桜華絢爛で見慣れた姿から次のカットでは違う髪型に……続編ではイメチェンしたのかな?程度にしか思っていませんでした。
しかし、2話の会話で変わったのが髪型だけでないことを知ることになります。


カンナ「かえでさん、あたいアイリスを探しに行くよ」





かえでさんって誰……?

 ここでようやく、同一人物の髪型変更ではなく全く別の人物とポジションを入れ替えていたことに気づきます。
そんな馬鹿な……とOPを見返してみると、
1話では「藤枝あやめ」だったクレジットが「藤枝かえで」に変わっていたことに気づきます。
文字数が同じこと、CVが同じ折笠愛さんだったこと、二つの要因が重なったことで完全に見逃していました……。

 両者の関係は姉妹等の何らかの血縁であることは想像するに難しくなかったのですが、真相が気になってしょうがなくウィキペディアに直行……止せばいいのに、というのは反省してから出てくる言葉なのだと思い知りました……。

 この交代劇の経緯については詳しく触れません。サクラ大戦ユーザーの方々はご承知でしょうが……。
小さくはないショックを受けはしましたが、こういったハプニングもあるであろうことをある意味では期待してのミリしら視聴記だったので面白い経験だったなとも思えます。
断片的な情報から自分で類推するという見方もあった気がしますが……難しいですね(笑)。







 サクラ大戦についての感想は以上となりますが、
このブログでこちらの話題に触れないわけにはいかないと思いましたので引用させて頂きます。


 正直に言えば遅かれ早かれこうなるだろうという気はしていました。現に深夜アニメでは放送延期という事態が続出してましたので。
 一視聴者の本音で言えば残念という気持ちがないわけではありませんが、 無理をしてスタッフサイドで感染が拡がったら……というのがこの場合考えられ得る最悪のケースだと思うのでそれを回避する為の安全第一の決定に敬意を表したいです。
 再放送の形で毎週の放送が継続されるというのもとてもありがたい話だと思います。同じ時間帯にプリキュアが放送されている……というだけで安堵を憶える視聴者は沢山いらっしゃると思うので。
 映画ミラクルリープの行方も含め心配事は残りますが、地球をお手当するヒープリ勢がウイルスによる影響を克服して帰ってくる日を待ちたいと思います。





 来週の配信はOVA『ル・ヌーヴォー・巴里』となり、轟華絢爛の後半3話は翌々週となるようです。


 次回も乞う、ご期待!

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