サクラ大戦OVA公式配信もついにラストスパート。ミリしらサクラ大戦視聴記も今回で最終回となります。
今回は『轟華絢爛』後半3話についての感想となります。

前半3話と同様で独立した短編スタイルで展開されたのが4話「人情紙芝居・少年レッドよ永遠に」。
紙芝居ヒーロー『少年レッド』の本が出版されるためその表紙モデルを依頼された紅蘭、父が表紙のデザインを担当することになった織姫の二人がメイン格となり、地上げトラブルに巻き込まれていきます。
情緒溢れる長屋を舞台としている点が興味深くありますが、最大の見所は花組が総力を挙げて「少年レッド」の世界観を演じながら地上げ屋を撃退するアクションシーンでしょう。
長屋少年たちのヒーローは実在するという夢を守り抜いた紅蘭、花組たちの姿勢は役者であればこそなのかと考えます。
5話「父と娘と」と続く6話「女たちの新時代」は連続した前後編ストーリーとなっており、『轟華絢爛』内に留まらず今回のシリーズOVA一挙配信のラストを飾るに相応しい傑作エピソードであったと思います。
この前後編で描かれたのは戦いに送り出す大人たちの自罰的な心情、苦しい宿命の渦中にあっても決して心から光を失わない少女たちの眩しさ、原作ゲームを知らない自分でも根が深い『戦う』ということへ向き合った本音が洗いざらい曝け出された重厚なドラマに感銘を受けました。
隊員たちの親代わりを自負しても"司令官"として帝都防衛を優先しなけれならない=隊員たちを如何に上手く戦わせるあるいは死なせることを考えなければならない、矛盾した立場を強いられる米田一基。
父の一馬、娘のさくらと『破邪の血統』で家族を戦いへ追いやることを運命づけられた真宮寺家の苦悩。
死の宿命を知ってもなお、知っているからこそ最期の時まで強く戦い抜いた真宮寺一馬の覚悟。
後悔の念、鬼気迫るもの、大人たちが抱く感情に圧倒されます。
その一方強いられるだけでなく、例えば大切な仲間、例えば大衆に夢と活力をもたらす芝居……とさくらを始めとした花組隊員たちが「戦い」だけに縛られていないという光明も提示されており、この希望が今回のサクラ大戦OVA一挙配信視聴後の素晴らしい余韻をもたらしているのだと個人的に感じました。
現実の"大正"は女性の権利獲得に向けた運動が高まっていった時代ですが、
跡継ぎを残す使命をあくまでも建前として捉えているさくらの祖母や殿方に尽す以外の生き方もあり得ると語るさくらの母を見れば、
サクラ大戦の"太正"においてもそういった価値観の変化が確実に起こっていることが推察され、戦士と女性、二重の意味での『解放』が会話劇重視の前後編に大いなるカタルシスをもたらしているのでしょう。
今回のミリしらサクラ大戦視聴記、全4シリーズを約1か月に渡っての視聴となりました。
あくまでも断片的なエピソードを見ているにしか過ぎないのでこれで『サクラ大戦』というシリーズを知り尽したとは言い切れませんが、
個性豊かなキャラクターたちの物語と様々な組み合わせから生じる化学反応、時代や場所を丁寧に写し込んだスチームパンクジャンルとしての面白味といった魅力を知ることは出来たと思います。広く深いサクラ大戦ワールドを構成するほんの数パーセントであっても。
今現在放送されている新サクラ大戦のTVアニメは引き続き視聴していきますし、
今回のラインナップに入っていなかったOVA『神崎すみれ引退記念』『ニューヨーク・紐育』また劇場版『活動写真』もいずれ見てみたいと思います。
出来れば原作ゲームをプレイしてどっぷり浸かりたい、と言いたいところですが調べてみるとハードの問題がなかなか厳しいんですよね……(笑)
長年噂には聞いていたものの中々手を出せなかった新しい、そして素晴らしいジャンルに出会えたことに感謝を述べ、今回のブログ及び『ミリしらサクラ大戦視聴記』の締めとさせていただきます。
余談ですがどことを、問わず厳しい時代であることは皆さんもご承知のところであり、次回以降の記事執筆予定が未定だったりします(語ろうと思っていた作品の展開が仕方なく中断されたこともあり)。
それでも定期的には何かしらの記事を投稿したいと思っています。
何かリクエスト等ございましたら、コメント欄でお気軽にお申し付けください。
次回も乞う、ご期待!
今回は『轟華絢爛』後半3話についての感想となります。

前半3話と同様で独立した短編スタイルで展開されたのが4話「人情紙芝居・少年レッドよ永遠に」。
紙芝居ヒーロー『少年レッド』の本が出版されるためその表紙モデルを依頼された紅蘭、父が表紙のデザインを担当することになった織姫の二人がメイン格となり、地上げトラブルに巻き込まれていきます。
情緒溢れる長屋を舞台としている点が興味深くありますが、最大の見所は花組が総力を挙げて「少年レッド」の世界観を演じながら地上げ屋を撃退するアクションシーンでしょう。
長屋少年たちのヒーローは実在するという夢を守り抜いた紅蘭、花組たちの姿勢は役者であればこそなのかと考えます。
5話「父と娘と」と続く6話「女たちの新時代」は連続した前後編ストーリーとなっており、『轟華絢爛』内に留まらず今回のシリーズOVA一挙配信のラストを飾るに相応しい傑作エピソードであったと思います。
この前後編で描かれたのは戦いに送り出す大人たちの自罰的な心情、苦しい宿命の渦中にあっても決して心から光を失わない少女たちの眩しさ、原作ゲームを知らない自分でも根が深い『戦う』ということへ向き合った本音が洗いざらい曝け出された重厚なドラマに感銘を受けました。
隊員たちの親代わりを自負しても"司令官"として帝都防衛を優先しなけれならない=隊員たちを如何に上手く戦わせるあるいは死なせることを考えなければならない、矛盾した立場を強いられる米田一基。
父の一馬、娘のさくらと『破邪の血統』で家族を戦いへ追いやることを運命づけられた真宮寺家の苦悩。
死の宿命を知ってもなお、知っているからこそ最期の時まで強く戦い抜いた真宮寺一馬の覚悟。
後悔の念、鬼気迫るもの、大人たちが抱く感情に圧倒されます。
その一方強いられるだけでなく、例えば大切な仲間、例えば大衆に夢と活力をもたらす芝居……とさくらを始めとした花組隊員たちが「戦い」だけに縛られていないという光明も提示されており、この希望が今回のサクラ大戦OVA一挙配信視聴後の素晴らしい余韻をもたらしているのだと個人的に感じました。
現実の"大正"は女性の権利獲得に向けた運動が高まっていった時代ですが、
跡継ぎを残す使命をあくまでも建前として捉えているさくらの祖母や殿方に尽す以外の生き方もあり得ると語るさくらの母を見れば、
サクラ大戦の"太正"においてもそういった価値観の変化が確実に起こっていることが推察され、戦士と女性、二重の意味での『解放』が会話劇重視の前後編に大いなるカタルシスをもたらしているのでしょう。
今回のミリしらサクラ大戦視聴記、全4シリーズを約1か月に渡っての視聴となりました。
あくまでも断片的なエピソードを見ているにしか過ぎないのでこれで『サクラ大戦』というシリーズを知り尽したとは言い切れませんが、
個性豊かなキャラクターたちの物語と様々な組み合わせから生じる化学反応、時代や場所を丁寧に写し込んだスチームパンクジャンルとしての面白味といった魅力を知ることは出来たと思います。広く深いサクラ大戦ワールドを構成するほんの数パーセントであっても。
今現在放送されている新サクラ大戦のTVアニメは引き続き視聴していきますし、
今回のラインナップに入っていなかったOVA『神崎すみれ引退記念』『ニューヨーク・紐育』また劇場版『活動写真』もいずれ見てみたいと思います。
出来れば原作ゲームをプレイしてどっぷり浸かりたい、と言いたいところですが調べてみるとハードの問題がなかなか厳しいんですよね……(笑)
長年噂には聞いていたものの中々手を出せなかった新しい、そして素晴らしいジャンルに出会えたことに感謝を述べ、今回のブログ及び『ミリしらサクラ大戦視聴記』の締めとさせていただきます。
余談ですがどことを、問わず厳しい時代であることは皆さんもご承知のところであり、次回以降の記事執筆予定が未定だったりします(語ろうと思っていた作品の展開が仕方なく中断されたこともあり)。
それでも定期的には何かしらの記事を投稿したいと思っています。
何かリクエスト等ございましたら、コメント欄でお気軽にお申し付けください。
次回も乞う、ご期待!