「」はある意味、もう一つ「ネクサス」であり、もう一つ「セブンX」でもあり、そして子供頃に大きなトラウマを受けた「怪奇大作戦」「恐怖劇場アンバランス」に連なる円谷怪奇作品テイストを受け継いだ作品です。 これを新潟から発信するミゾウユウ挑戦、ミゾミゾしています



 こちらは脚本家の長谷川圭一さんが、自身が全話脚本を担当されたUX新潟テレビ21初の自主製作ホラードラマ『霊魔の街』に関してつぶやかれた言葉です。
(こちらが引用元である長谷川圭一さんのツイッターでのつぶやきへのリンクとなります)


 当ブログでは長谷川さんがシリーズ構成を担当されたウルトラマンダイナを数回取り上げており、私自身長谷川脚本の虜となっているのは言うまでもありません。
10月から同氏がシリーズ構成を担当されるアニメ版グリッドマンである「SSSS.GRIDMAN」の放送が始まるということもあり、『霊魔の街』をレンタル、視聴しました。



スクリーンショット (6125)


霊魔の街

監督:八木毅 脚本:長谷川圭一





 今回はやや短めでフワ~っとした感想記事を投稿させて頂きます。
ですが、まだ見たことのない方々にも視聴して頂きたい、そのためのプレゼンになればとの思いで執筆することと決めたため、各話の核心部分については極力言及を控える形にしたいと思いますが、一点ネタバレ的な部分について言及致します。
 このような面倒な言い回しに終始しているのには理由がございまして、最後まで読み進められたらご理解いただけると思っているのですが……何卒ご理解していただけますよう……。







 物語は怪奇小説家・榊里桜が行方不明となった心霊アイドルの姉・舞桜を探すために、新潟のとある街を訪れるところから始まります。
里桜は失踪直前の姉から「霊魔の街」「鬼を捜して。闇を祓う鬼を」というメッセージ、そして謎の13の住所を頼りに姉の捜索をしていくのですが、姉の影を追えば追うほど目の当たり残虐な事件の数々。
やがて、彼女は人々を毒牙にかける謎の怪異『霊魔』、そして霊魔を追う封魔士『鬼崎陣』の存在を知ることになり……




というのが大まかなドラマのあらすじです。
ただし、これはあくまでも本筋要素を抽出しただけでありまして、全6話のエピソードはほぼゲストキャラ達が怪事件に遭遇して……を描く、ホラーオムニバス的な趣きが強い作品です。
それぞれが繋がりを持っていないように思われた怪奇現象を一つの線に結んでいくのが里桜であり、鬼崎であり、彼らが次第に接近していく緊張感が連続ドラマとしてのスタイルと見応えを与えていると言えます。

 文頭の長谷川さんのつぶやきにある「もう一つの『ネクサス(ウルトラマンネクサス)』」とは、このドラマの人物相関図とプロット、人知れず恐怖を振りまく霊魔の存在感が『ウルトラマンネクサス』の孤門君(運命の波に巻き込まれた者)と姫矢さん(謎多き戦闘者)の出会い方、存在自体が公にされていないスペースビーストの脅威、これらとの類似も指しているように思えます。




 加えて、このドラマはウルトラを始めとした円谷作品を抜きに語ることは出来ません。
 長谷川さんと同じく、円谷プロで多くのウルトラシリーズに多く携わった八木毅さんが監督を務めたことから、円谷怪奇作品の系譜を継ぐホラードラマであると公式サイトでも言及されており、地元紙の新潟日報では"ウルトラホラー"なるフレーズを用いて紹介されています。
またサイトに掲載されたスタッフトークからも「ウルトラやライダー」を意識した発言が散見され、特撮番組として新しい領域を作り出したい、との熱意が伺い知れます。


 それを証明するように「全編、新潟でオールロケ敢行」という特色を生かした素朴な美しさ溢れる新潟の自然や街の風景と特殊効果を活かした怪奇シーンの表と裏、陽と陰のようなコントラストの世界は見る者を否応が無く引き込みますし、鬼崎と霊魔の殺陣も前述したウルトラやライダーを意識したであろう迫力の戦闘シーンにも目を奪われます(鬼崎の容姿から『牙狼』を想起してしまうとかしないとか(笑))。

 ストーリー、画作り、共に特撮のDNAを注ぎ込まれながらJホラーとして羽ばたこうとする志の高さを感じると思いました。とても面白い!!
それに記事中にありましたように特撮好きなら引っ掛かるであろうフックが随所に用意されているので、その点でも楽しめること間違いありません(キャストさんにもお!?と思う様な人がチラホラ……)



 ですが、ここからがある意味本題です。
こちらのドラマ、前述したように全6話が放送されたのですが実は……まだ完結していません。


「え、ここからじゃん!?」と誰もが期待を高める所で終幕、クリフハンガー方式で幕を閉じました……。
展開から察するにセカンドシーズンの構想を練っていることは間違いないと思うのですが、2018年9月時点で公式からのアナウンスはまだありません。
 地方局政策のドラマゆえに事情もあるのかなと考えるのですが、そのための『応援レビュー』なのです。
今回の記事を読まれて、興味を持たれたという方は是非この作品を視聴してもらいたいです。
そして、まだ始まったばかりのこの波に乗って、拡散させていきましょう。
評判が広まっていけば、それが続編のきっかけとなるはずです。



 実を言うと未完結であることを「見ていない閲覧者さん前提の記事」で明かす事には躊躇いもありました。
ですが、良いと思った作品は広めたい、好きだと思えた作品は応援したい、との精神で皆様にも応援の力をお借りしたく記事として書かせてもらいました。
拙い文章となってしまいましたが、万分の一でも私がこの作品に感じた面白さが、皆様に届いていれば本望であります。



次回も乞う、ご期待!!