TVerの第45話配信ページです

 年内最後の放送となった今回。
 トゥインクルイマジネーション発現だけでなく、進路や生活環境が変化していく仲間たちを見て引け目を感じ始めるひかる、そこに襲い掛かるカッパード……が大まかなあらすじです。
トゥインクルイマジネーションを全員が発動させただけではなく、改めてひかるの「知りたい」という欲求がどういう類のものであったのかを整理した上でロールアップされるまでを丁寧に描き切りましたね。これで最終決戦への準備は整った、といったところでしょうか。
各トピックを見ていきましょう。


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やがて、デネブ(北極星)になる

 以前は一人という環境に寂しく思っていなかったひかるが、自分だけ後れを取っていると悩むのは、
他人と交流を持つようになったことの代償なのでしょうか。そこへ春吉や陽子との悲喜こもごもを交えてアドバイスしてくる遼じいの活躍が見事。
 またかつての南十字星(サザンクロス)のように、はくちょう座のデネブは約8千年後には北極星になる=ひかるなのだと星座に例えるロマンも見所です。
「デネブは変わらず輝く」という言葉が後半のバトルでひかるのトゥインクルイマジネーション発現に寄与するというのも非常に巧みです。
スタプリでは様々な家族関係が描かれ、家族のあり方や抱えている問題も非常に幅広いものでしたがひかるの場合は祖父祖母の友人・遼じいが導き手となるという珍しい関係性が全編通して描かれてきました。それだけの説得力を備えた関係性がトゥインクルイマジネーションの発現に際しても大きな役割を果たすというのは非常に納得がいきますし、世代を超えて紡がれていく「人の縁」にエモーショナルを感じさせますね。




「だから私、あなたの輝きを、もっともっと知りたいの!」
 ダークネストに最後通告を言い渡されたカッパードはひかるを急襲、絶望を糧にするカッパードに彼曰く「現実を知らない」と言われたひかるはキュアスターに変身するも手も足も出ません。
が、身を挺して守るキュアミルキーの一言から状況は変化を見せます。
「ひかるはひかるルン」
環境が変わってもそれ自体が輝き続けることに変わりがないというデネブの話が、環境や状況によって一時的に変わったように見えても本質的な輝きは変わらないという人間論とリンクし、同時に「人は変わる、イマジネーションなどすぐ歪む」と他者を信じられなくなったカッパードとの相克をその場に生み出します。
 気づきを得たひかるはカッパードを「知る」ために踏み出します。
それは以前から言っていた好奇心から生じる「事物を知りたい」という感情ではなく、輝きたい自分に関わる存在として「他人の輝きを知りたい」という視線の変化を物語っています。
結果的に手を取り合うことは出来なかったものの、互いに分かり合いたいというひかるの主張にはカッパードは絆されかけていました。
カッパードの過去はある程度推察出来る程度の情報量はあるものの明確には語られていないという押さえ方がされていて、そのためひかるとカッパードの間に横たわる争点がカッパードの身の上に関わる具体的な事象ではなく普遍的な「他人を知るための一歩」というものだったことも特徴的と言えるでしょう。
イデオロギーに関わるような事案に直接救済の手を差し伸べるのではなく、というスタイルが多様性を打ちだす作品の価値観をより強く感じさせるように思えます。






次回は1週間のお休みを挟んで1月5日放送の、第46話「ダークネスト降臨!スターパレスの攻防」となります。


 

 いよいよ始まるノットレイダーとの最終決戦、その幕開けとなるのでしょうか。
プリキュアのみならず、彼女らに絆されかけていたノットレイダー幹部たち、そしてそれを受けて立つ星空連合代表トッパーらにも注目したいところです。
そして、解禁になるであろうダークネストの計画も気になるところ……。



次回も乞う、ご期待!



 そして、恐らくですが2019年内の更新は今回で最後になる予定です。
振り返れば、GRIDMANで幕を閉じた去年に続いてペースを落とさぬよう更新を続けた一年であったと思います。
平成ジェネレーションズForever、ハグプリ&ルパパト総括、復活のルルーシュ、ゴジラKOM、そしてスタプリ……稚拙な文章を書き連ねた一年であったかもしれませんがどうにかこうにか自分なりのスタイルを見つけられたかなと思う次第です。


 当ブログを応援してくださる全ての読者の皆様に感謝申し上げます。
皆さま、良いお年を。