TVerの第22話配信ページです


 ララの誕生日7月7日、そして、長期で家を空けていたひかるの父親・陽一の帰宅とイベントが重なった七夕を描く今回。
星奈家を取り巻く事情、特に祖父・春吉の秘めていた感情が明かされ、これまでの星奈家のドラマを思い起こすと「そういうことだったのか」と合点がいく点もチラホラ。
また春吉と陽一、父親・息子という男同士の家族の関係にフォーカスするのはプリキュアではとても珍しく、リアルな質感を感じさせてくれました。
 では、各トピックへ……
stp2275






野太い「キラやば~~~」
 陽一はUMA研究の第一人者として有名なようで(宇宙人対策に追われる政府高官であるまどか父の書斎に著書が置かれているぐらい)プルンス、フワのみならず、触角を持つララを初見で地球人ではないと見抜き大興奮、さぁ大変。しかし、娘ひかるのお願いを聞き入れ陽一はララたちの正体について口外しないと約束、事なきを得ます。
研究家としては絶好のチャンスであるにもかかわらずすんなりと首を縦に振ったのは、娘ひかるとの強い絆を感じさせるやり取りです。
陽一を演じる大塚明夫さんは野太い声が印象的ですが、娘にも受け継がれた「キラやば~☆」の雄々しさはとてもインパクトがありましたね……。



「私、キラやば~って言ってるお父さんが大好き。だから、行って!追いかけて!」
 決まって七夕の日帰ってくる陽一を、今年も温かく出迎える星奈家。
陽一が帰ってきた祝いとララの誕生会を兼ねたバーベキューの準備で皆大忙しとなるわけですが、ひかるはララ達に父が海外を飛び回るようになった経緯を語ります。
 ひかるの幼少時には、また自宅で生活し大学で教鞭を執っていたらしい陽一。常々UMA研究のため海外に出たいと思っていたようですが、家族を置いてはいけぬと諦めていました。
そんな父親の夢を幼き日のひかるが背中を押します。
大人でも夢を見てもいい、幼き子供でも理解してくれるかもしれない……新しい価値観の提示のようにも感じられます(万人がひかるのように後押しできるわけではありませんが)。
生活を考えるならこうするしかない、とでも言いたげに寂しそうな表情を浮かべていた陽一や輝美とは対照的な屈託のないひかるの笑顔、しみじみ感じ入ってしまいます。
しかし、家族を置き去りにすること選択には違いなく、陽一にとっては父でもある春吉に「何を考えているんだ!!」と大反対に遭います……(次のトピックに続きます)。




「親というのは、いつまで経っても子供が心配なものだ」
 バーベキューに不参加を決め込みとてもとても不機嫌そうな春吉。
陽一との間である種親子の確執めいたものがあることは明らかだったのですが、それは息子の趣味趣向に対する偏見ではなく、父親のいない家庭で生活するひかるや嫁の輝美を不憫に思っている事、そんな環境を強いる息子を育てた自分は間違っていたのではないか?という罪悪感を抱いていたことが明らかになります。
 春吉の年代はまだ家長が家を守るという気風が強かった時代でしょうからひかるのように応援できないというのも頷けるところがありますし、ひかるに見せる厳しさも父親と同じくならないように育てなければとの思いがあるからなのでしょうね。
また「いつまで経っても~」は陽一自身のことを父親として心配しているという本音が窺えます。
こういった本心を引き出すために、親元を離れている&母星では「大人」として扱われている境遇のララと会話させる場面を設けているのはとても上手いですね。
そして、春吉が遼じいと面識があり、「春ちゃん」「遼ちゃん」と呼び合う間柄だったことも驚きです。




離れていても家族
 テンジョウの手でノットレイ化された春吉は戦闘の中で本心を曝け出します。
祖父の思い「家族は一緒にいなければいけないんだ」を知ったキュアスターですが、「離れてたって家族は家族だよ!」と改めて家族の大好きを応援する喜びを主張。
家族観は時代によって移り変わり、その在り方は固定されるものではないとのテーマ性と同時に、幸せの形は自分で決める、そんなひかるの叫びを聞いたような気がしました。
 戦闘終了後、無言ながらも息子の肩を借りて歩く春吉の優しい表情も印象的です。
ひかるが言ったように、この父と息子も"離れていようと家族"であることに違いがない、ということが伝わってきます。
ある程度歳を取った父親と息子は会話が少なくなるものですが(個人的見解です)それでも心のどこかで繋がっている……プリキュアでは珍しい家族関係の描写で個人的にグッとくるものがありました。



 それぞれ自立した個人なので主張がある、譲れないプライドもある。春吉の家族観が変わったわけでなく、けれども見送りはするようになったとの変化がとても絶妙なバランスだったと思います。
前回から仲間入りしたユニは、家族のやり取りを傍観し、合流は戦闘場面のみと追加戦士としては極めて珍しい扱いでしたが、家族を取り戻すことを願う者として星奈家のドラマをどう見たのか?と行間を読みたくなりますし、ひかるがユニの所在を心配していたくだりは次回の歓迎会への伏線でもあるのかな?と想像したくなります。




 次回は、第23話「フワがいっぱい!?フワ☆パニック!」となります。


 

 今回ひかるたちと別行動を取っていたユニの歓迎会が行われるのですが……パニック映画さながらの衝撃事件が起こる模様。事態打開のためユニがひかるたちとどのように連携していけるのかがカギになりそうな予感です。


 次回も乞う、ご期待!