度々触れている仮面ライダージオウのレジェンド客演回ですが、5月12日及び19日放送回で「仮面ライダーキバ編」に突入することが公式発表されました(予告動画となります)。
脚本はキバでメインライターを担当されていた井上敏樹氏、
キャストでは、アナザーキバの変身者・北島祐子役の釈由美子氏、
キバのレギュラーキャラクタだったガルル/次狼役として松田賢二氏、またカメオ出演という形で麻生ゆりを演じた高橋ユウ氏が、またキバにてキバットバットⅢ世の声を担当した杉田智和氏が今回初登場のライダー・仮面ライダーギンガのCVとして、それぞれ出演が決定しています。
 キバの2大主人公・渡と音也両者を近くから見守り続けたガルルが所謂レジェンド枠としてどのような活躍を見せるのか、また井上敏樹氏が振るう健筆によってソウゴらが巻き込まれていく”初恋”に端を発する物語がジオウにどのような新風を吹き込んでいくのか、括目せざるを得ない要素ばかりが並んでいます。
 ディケイドとは違うベクトルで平成ライダー1期の総決算でもあり、個人的な思い入れがある仮面ライダーキバ。
そのアンコールをリアルタイムで満喫できる2週間が楽しみでしょうがありません。

hrdyr



TVerの第14話配信ページです

 令和への改元後初の放送となる今回は、えれなの家族、特に弟である長男のとうまにスポットを当て、文化観の違いから生じる摩擦、『普通とは何か?』を問い質すエピソードとなりました。
えれなが初の褐色プリキュアであること、彼女が外国人の親を持つハーフであること、この作品が多様性をテーマとしていること(それらテーマ込みでキャラクターが構築されている)などからこういったエピソードが展開されるであろうことは予想していたわけですが……ちょっと意外な展開と感じました。詳しくは後半触れていきます。





「凄いな」
えれなの父・カルロス、母・かえでがひかるらと初対面で物語がスタート。
天宮家はスキンシップが多く、人前で情熱的に踊り始めたり……とカルロスの出身国であるメキシコの文化風習が行き渡っていることがよく分かります。
ひかるたちはそんな天宮家のホームパーティーに誘われるのですが、一同はえれなの弟・とうまの元気がないことを気にします。
友達に手を繋ぎ道端で踊る両親を見られて、「凄いな」と言われたのが理由だった模様。
「凄いな」は受け取り方次第で如何様にも解釈出来る言葉、故に友達が(恐らく)悪意を込めていなくても「自分の家は変なんだ」と傷つくとうま。
一般的でないことを恥じる感覚、この年頃だとより一層敏感に感じるだろうと思える心理描写です。



「変」と「違う」
耐え切れず家を飛びだしたとうま。
探しにきたララが同じく外国人(とうまはハーフですが)と知り、話し込み、学びます。
語尾の『ルン』、触角を繋ぐダンスーー自分にはないララの特色を「変」と評するとうまに「私には触角が無い方が変ルン」と一言。
これまで多くの惑星、様々な異星人と出会ったララは続けます。
「みんな違ったルン。でもみんな変じゃないルン」
先の「凄いな」もですが、言葉の微妙なニュアンスの違いを巧みにストーリーへ盛り込み、感慨が湧くように設定されているように思います。
変、とは主観から発せられる評価です。
違う、も変と似たような排外の意味を持つ場合もありますが客観的に見れば全員”違う”から当然な物の見方とも言えます。
こうした言葉の使い方は身近でしたような、あるいはされたような経験は誰しもがあると思うんですよね。
日常の経験に置き換えて考えられる普遍的なストーリー性はプリキュアだからこそ描いてくれるんでしょうね。
ララのとうまに対する指南も前回「変わっている」との言葉にショックを受け、そして承認されたという経緯があるからこそより際立って見えます。



ノットレイ化
さそり座のプリンセススターカラーペンを携えたテンジョウがララたちを急襲。
他の幹部らと同様、ダークネストにより強化されていたテンジョウは新能力を発揮し、とうまをノットレイ化(他のノットレイたちにもみくちゃにされ強制的に変身させられたように見えます)更にイマジネーションを歪ませ、巨大化させます。
アイワーン、カッパードとは違った能力が付与されているであろうこと、それが従来のテンジョウのスキルに関係した力であろうことは予想していましたが、一般人が戦闘員へと強制転身させられるというのはなかなかおぞましい得・恐怖感があったように思えます。
ごくわずかな特徴だけを残してのノットレイ化は個性の剥奪という意味合いも含まれているのでしょうか?



家族よ、あなたは枷なのか?
とうまノットレイとの戦いの最中、ソレイユは弟の本音を聞かされます。
「もっと、普通の家(うち)が良かったんだ……」
えれなはその苦悩に理解を示します。自身も幼い頃に他所とは違う家族に悩んだのだとか。
しかし、彼女は独力で乗り越えていたようです。
「でも私は、笑顔でいっぱいの家の家族が大好き!!」
他所との比較ではなく、好きだと胸を張って言える長所を見つめる……えれなが辿り着いた答えに揺さぶられたのかとうまノットレイの動きは鈍り、さそり座のカラーペンを得たソレイユらが勝利します。
振り返れば「大切なものが自分を縛る枷に見えてしまう」この現象は、えれなが初めてソレイユへ変身した第4話で提示される「守る物が増えれば、その分弱点が多くなる」に通じます。
両試練を乗り越える鍵もまた同じくで、守るべき対象・家族への好きが勝るから問題にはならないというゴールで乗り切ります。
多様性を語りやすくまた成長著しいララの活躍が目立った印象がありますが、えれなのメイン回として捉えるなら4話の発展的反復をある程度意図されていたのかな?と考えます。




何が意外な展開だったのか?
トピックでまとめたように国際結婚家庭に生まれたために「普通」という生き方を渇望するとうまの悩みに対する回答などは実に見事だったと思うのですが、色濃く活躍したのは姉・えれなではなくララではないか?と思えるバランスです(最後に締めてくれたのはえれなではありますが)。
これもまたトピックで触れているように異星人で文化の軋轢を一度経験しているララがこの役目を担うのは必然性があるのですが、家族であるえれな中心にならないのは意外な展開だったように思えます。
今回、家族の悩みを既に乗り越えていた旨を明言していましたがやはり天宮えれなというキャラクターは高スペックな「強い」キャラクターとして造形されているように感じます。
と言っても違和感を感じるようなものでもなく、エピソード全体を振り返った時にふと考えてしまうというレベルではありますが(大家族の長姉という設定と相性が良いからでは?)。
完璧というキーワードを用いて語られるプリキュアはこれまでのシリーズでも何人かいますが、えれなはそれらとはまた違った新しいタイプです。
ひかる、ララ、まどかと違って、大きな挫折や難題に崩される決定的な場面が描かれていないんですよね(特に同じく他者から羨望の目を向けられているまどかと対比した時にえれなのハイスペックが目立つ印象が強い)。目立った活躍だとフワを守る気概だったり、ケンネル星人たちを擁護する姿勢だったり、と他者を守り抜く強さが目立つ場面が多く、まるでその輝きで周囲を照らしていく太陽の如くです。
こういった人物描写を意図的にしているのなら(ここまで一貫しているので無意識はないと思いますが)意欲的な挑戦を始めたのかなと、今後が楽しみに思えてきます。






次回は、「第15話 お宝争奪!宇宙怪盗参上☆」となります。

 

 惑星探訪シリーズとだと予想出来るあらすじですが、オークションや宇宙アイドル、快盗となかなか奇天烈なワードがズラリ。
容姿の酷似からOPに登場する謎の少女がいよいよ本編参加か?とも取れるのですが……来週の放送を待ちたいと思います。


 次回も乞う、ご期待!