新年、あけましておめでとうございます。
新年早々(正確には去年の暮れに)プリキュア新シリーズ『ヒーリングっど♡プリキュア』が2020年2月2日に放送予定と発表されました。
気になるスタッフ陣はスイートプリキュア劇場版やプリキュアスーパースターズの劇場版監督を務めた池田洋子氏がシリーズディレクターに、
近年のシリーズで総作画監督を務めていた山岡直子氏がキャラクターデザインを、
プリンセスプリキュア以降のサブライター及び劇場版のオールスターズメモリーズ(+このブログで取り上げたところで言えばルパパト、ジュウオウジャーなどのメインライター)を担当された香村純子氏がシリーズ構成、とメインは初なもののこ長年プリキュアに関わってきたことによる安定感を感じる布陣であると同時にほぼ女性で占められているというのも興味深いです。
また当ブログでその業績を取り上げたことがある香村純子氏(参照:香村純子脚本のニチアサから読む【呪いからの解脱、そして、新世界へ】)がいよいよプリキュアのシリーズ構成に就任されたというのは感慨深さを禁じ得ません。香村氏の描く、必要な設定上のケレン味を排した「等身大過ぎる人間ドラマ」が主軸となるプリキュアがどのような世界へ我々を誘ってくれるのかを見守ろうではありませんか。
それとプリキュアたちの変身前の髪の彩度が変身後と比べて低めで落ち着いている印象を受けました(近年プリキュアと比べると珍しい)。
リアルな色合いと言うんでしょうか……早くアニメーションで動く彼女たちを見たいものです。
あ、もう特報がアップされていましたね……。
TVerの第46話配信ページです
新番組がアナウンスされたその頃、スタプリはいよいよ物語が大詰めを迎えます。
トゥインクルイマジネーションが揃ったことにより勃発する、プリキュア、スタープリンセス、星空連合、ノットレイダーを巻き込んだ大混戦。
その最中ダークネストが13番目、蛇遣い座のプリンセスであると暴露され、彼女に率いられていた『自分達を爪弾きにした宇宙への復讐を目論むノットレイダー』という枠組みは呆気なく消滅しました。
なかなか先読みを指せてくれない展開を各トピックと共に追っていきましょう。
戦争との距離感
スターパレスにてぶつかり合う星空連合の艦隊とダークネストの鎧を授けられたノットレイダー軍。
事実上の戦争がプリキュアで描かれるのは恐らく初めてだと思われます。
同時に戦争というセンシティブな話題を取り扱うにあたって描写の方法にはかなり気を遣っていたように思います。
直接的な犠牲の描写がなかったのもありますが、両軍の主張をバランスを取って紹介していた点が印象に残りました。
プリキュア寄りのスタンスに見える星空連合・トッパーであっても頑としてノットレイダーに譲らない姿勢を貫き、
一方復讐を仕掛ける側のノットレイダーを一方的に悪だと決めつけられない事情と過去をプリキュアと視聴者は既に知っています。
戦争へと到るメカニズムと感情、それを止められない悪循環、そうした争いへの関与は善悪で決定づけられるものではない……非日常の先にあると思い込みたくなる戦争が決して我々と縁遠いものではないのだと、メインターゲット層の児童の理解が及ぶレベルで描き切ったことを称賛したいと思いました。どちらにも与さないプリキュアの視点も大きく寄与した事でしょう。
どの時点でこうしたシーンを描くと決めたかは分かりませんが、そこへ至るまでの素材の熟し方が優れていたのだとも感じます。
「宇宙は渡さない、とか乗っ取る、とかそんなのおかしいよ!星空連合もノットレイダーも私も、みんな、みんな、同じ宇宙に住む"宇宙人"でしょ!」
宇宙でぶつかり合う人々に悲しむひかるが投げかけた演説。
『宇宙人』というワードは「自分の星の外に住む住人」という主観が先に立つような気がして当ブログでは「異星人」という言い方をしていたのですが、違いという壁を取り払うための新たな定義に自分の琴線に触れてきました。
そういう発想があったのか!と。
宇宙とは自分の世界の外にあるのではなく、自分を含めたみんなの居場所なのだと。
この言葉が戦う数多の宇宙人たちと視聴者に何故響いてくるのか?個人的に出た結論は主張したひかるの「私も」という当事者意識が含まれているから、です。
ひかるの観察者的思考は前回第45話のトゥインクルイマジネーション発現から大きく変化したのだと前回投稿記事にて掲載したのですが、この慟哭にもその変化と成長が象徴されています。自分が揺れない、ある意味では脅かされない距離を保っていた観察に留まっていたのではこの境地にはたどり着けなかったでしょう。
仮にこの当事者意識を感じさせない言葉で停戦を呼び掛けていたらどうなっていたでしょうか?
曖昧な正義感をプリキュアというヒーローが上から押しつけるというグロテスクな光景になり得ていたのかもしれません。
「倒すんじゃない、皆を守る!(ノットレイダー幹部たちを浄化する際の決め台詞)」
もはや通り一遍の言葉ではありません。
十三番目の姫(イレギュラー)
その正体が明かされて衝撃が走ったダークネストこと蛇遣い座のプリンセス。
12星座のプリンセスたちと袂を別った後、自らが操るブラックホールでガルオウガの母星を消し去った後(その事実を伏せて)ノットレイダーの頂点に君臨した黒幕。
鎧を纏っていた時期と同じくイマジネーションを憎悪する彼女の目的は自ら(彼女を含めた13人のスタープリンセス)が誕生させた宇宙の滅び、そのため用いた道具がノットレイダーであり、今後はブラックホールに全てを呑み込ませたいようです。
スタープリンセスが宇宙の創造者であったというのは初情報な気がしますが、蛇遣い座をこの道へ走らせた理由、それとなく正体を察していた感があるプリンセスたちの反応と来週以降の展開が待ち遠しいものです。
またダークネストの「十三番目」の「蛇遣い座」という設定が興味深く、
『十三番目』という数字はキリストを裏切った使徒ユダが最後の晩餐で13番目の席についていたことから不吉な数字とされ、
『蛇遣い座』は黄道上に位置しながらも黄道12星座に含まれなかったいわくつきの星座です(天文学と占星術による解釈の違いや歴史があるようなのですが少々複雑な問題なようですので、気になられた方はググってください)。
また21話の記事にて、ダークネストが蛇を思わせる姿をしているのは「アダムとイブに知恵の実を与えた蛇から来ているのではないか?」と掲載しましたが、神話星座など複数のモチーフを掛け合わせて神秘的な存在を形成させようとする製作陣に"ニクさ"を感じますね。
人と密接に関わる伝承の集積体である彼女との決着がどこにあるのかという興味が喚起されます。
今回は他にもユニとのわだかまりが氷解したアイワーンの頼もしい援護や一貫してフワを守り続けた
プルンスの使命感、その想いのバトンを引き継ぐような「フワは必ず助けるから」というひかるの熱い決意もあり、様々な意味で物語の総決算が始まってるのだと思わされそして身が引き締まる最終決戦の序章であったと思います。
次回は、第47話「フワを救え!消えゆく宇宙と大いなる闇!」となります。
映像を見る限りではプリキュア、星空連合、ノットレイダーが対ダークネストで共闘しているように見えますがこれは熱い展開となるのでしょうか?
宇宙を消し去ろうとする蛇遣い座のプリンセスの目的にも触れられるのか、要注目です。
次回も乞う、ご期待!
新年早々(正確には去年の暮れに)プリキュア新シリーズ『ヒーリングっど♡プリキュア』が2020年2月2日に放送予定と発表されました。
東映アニメーション公式@toeianime_info【ヒーリングっど🖤プリキュア情報】
2019/12/26 06:00:16
公式サイトに新情報追加!
メインキャスト、キービジュアル、主題歌の情報と
さらに、告知映像も公開!
詳しくはこちらから
https://t.co/bvFQ69yqOC
#precure… https://t.co/RYeSLIWQpA
気になるスタッフ陣はスイートプリキュア劇場版やプリキュアスーパースターズの劇場版監督を務めた池田洋子氏がシリーズディレクターに、
近年のシリーズで総作画監督を務めていた山岡直子氏がキャラクターデザインを、
プリンセスプリキュア以降のサブライター及び劇場版のオールスターズメモリーズ(+このブログで取り上げたところで言えばルパパト、ジュウオウジャーなどのメインライター)を担当された香村純子氏がシリーズ構成、とメインは初なもののこ長年プリキュアに関わってきたことによる安定感を感じる布陣であると同時にほぼ女性で占められているというのも興味深いです。
また当ブログでその業績を取り上げたことがある香村純子氏(参照:香村純子脚本のニチアサから読む【呪いからの解脱、そして、新世界へ】)がいよいよプリキュアのシリーズ構成に就任されたというのは感慨深さを禁じ得ません。香村氏の描く、必要な設定上のケレン味を排した「等身大過ぎる人間ドラマ」が主軸となるプリキュアがどのような世界へ我々を誘ってくれるのかを見守ろうではありませんか。
それとプリキュアたちの変身前の髪の彩度が変身後と比べて低めで落ち着いている印象を受けました(近年プリキュアと比べると珍しい)。
リアルな色合いと言うんでしょうか……早くアニメーションで動く彼女たちを見たいものです。
あ、もう特報がアップされていましたね……。
TVerの第46話配信ページです
新番組がアナウンスされたその頃、スタプリはいよいよ物語が大詰めを迎えます。
トゥインクルイマジネーションが揃ったことにより勃発する、プリキュア、スタープリンセス、星空連合、ノットレイダーを巻き込んだ大混戦。
その最中ダークネストが13番目、蛇遣い座のプリンセスであると暴露され、彼女に率いられていた『自分達を爪弾きにした宇宙への復讐を目論むノットレイダー』という枠組みは呆気なく消滅しました。
なかなか先読みを指せてくれない展開を各トピックと共に追っていきましょう。
戦争との距離感
スターパレスにてぶつかり合う星空連合の艦隊とダークネストの鎧を授けられたノットレイダー軍。
事実上の戦争がプリキュアで描かれるのは恐らく初めてだと思われます。
同時に戦争というセンシティブな話題を取り扱うにあたって描写の方法にはかなり気を遣っていたように思います。
直接的な犠牲の描写がなかったのもありますが、両軍の主張をバランスを取って紹介していた点が印象に残りました。
プリキュア寄りのスタンスに見える星空連合・トッパーであっても頑としてノットレイダーに譲らない姿勢を貫き、
一方復讐を仕掛ける側のノットレイダーを一方的に悪だと決めつけられない事情と過去をプリキュアと視聴者は既に知っています。
戦争へと到るメカニズムと感情、それを止められない悪循環、そうした争いへの関与は善悪で決定づけられるものではない……非日常の先にあると思い込みたくなる戦争が決して我々と縁遠いものではないのだと、メインターゲット層の児童の理解が及ぶレベルで描き切ったことを称賛したいと思いました。どちらにも与さないプリキュアの視点も大きく寄与した事でしょう。
どの時点でこうしたシーンを描くと決めたかは分かりませんが、そこへ至るまでの素材の熟し方が優れていたのだとも感じます。
「宇宙は渡さない、とか乗っ取る、とかそんなのおかしいよ!星空連合もノットレイダーも私も、みんな、みんな、同じ宇宙に住む"宇宙人"でしょ!」
宇宙でぶつかり合う人々に悲しむひかるが投げかけた演説。
『宇宙人』というワードは「自分の星の外に住む住人」という主観が先に立つような気がして当ブログでは「異星人」という言い方をしていたのですが、違いという壁を取り払うための新たな定義に自分の琴線に触れてきました。
そういう発想があったのか!と。
宇宙とは自分の世界の外にあるのではなく、自分を含めたみんなの居場所なのだと。
この言葉が戦う数多の宇宙人たちと視聴者に何故響いてくるのか?個人的に出た結論は主張したひかるの「私も」という当事者意識が含まれているから、です。
ひかるの観察者的思考は前回第45話のトゥインクルイマジネーション発現から大きく変化したのだと前回投稿記事にて掲載したのですが、この慟哭にもその変化と成長が象徴されています。自分が揺れない、ある意味では脅かされない距離を保っていた観察に留まっていたのではこの境地にはたどり着けなかったでしょう。
仮にこの当事者意識を感じさせない言葉で停戦を呼び掛けていたらどうなっていたでしょうか?
曖昧な正義感をプリキュアというヒーローが上から押しつけるというグロテスクな光景になり得ていたのかもしれません。
「倒すんじゃない、皆を守る!(ノットレイダー幹部たちを浄化する際の決め台詞)」
もはや通り一遍の言葉ではありません。
十三番目の姫(イレギュラー)
その正体が明かされて衝撃が走ったダークネストこと蛇遣い座のプリンセス。
12星座のプリンセスたちと袂を別った後、自らが操るブラックホールでガルオウガの母星を消し去った後(その事実を伏せて)ノットレイダーの頂点に君臨した黒幕。
鎧を纏っていた時期と同じくイマジネーションを憎悪する彼女の目的は自ら(彼女を含めた13人のスタープリンセス)が誕生させた宇宙の滅び、そのため用いた道具がノットレイダーであり、今後はブラックホールに全てを呑み込ませたいようです。
スタープリンセスが宇宙の創造者であったというのは初情報な気がしますが、蛇遣い座をこの道へ走らせた理由、それとなく正体を察していた感があるプリンセスたちの反応と来週以降の展開が待ち遠しいものです。
またダークネストの「十三番目」の「蛇遣い座」という設定が興味深く、
『十三番目』という数字はキリストを裏切った使徒ユダが最後の晩餐で13番目の席についていたことから不吉な数字とされ、
『蛇遣い座』は黄道上に位置しながらも黄道12星座に含まれなかったいわくつきの星座です(天文学と占星術による解釈の違いや歴史があるようなのですが少々複雑な問題なようですので、気になられた方はググってください)。
また21話の記事にて、ダークネストが蛇を思わせる姿をしているのは「アダムとイブに知恵の実を与えた蛇から来ているのではないか?」と掲載しましたが、神話星座など複数のモチーフを掛け合わせて神秘的な存在を形成させようとする製作陣に"ニクさ"を感じますね。
人と密接に関わる伝承の集積体である彼女との決着がどこにあるのかという興味が喚起されます。
今回は他にもユニとのわだかまりが氷解したアイワーンの頼もしい援護や一貫してフワを守り続けた
プルンスの使命感、その想いのバトンを引き継ぐような「フワは必ず助けるから」というひかるの熱い決意もあり、様々な意味で物語の総決算が始まってるのだと思わされそして身が引き締まる最終決戦の序章であったと思います。
次回は、第47話「フワを救え!消えゆく宇宙と大いなる闇!」となります。
映像を見る限りではプリキュア、星空連合、ノットレイダーが対ダークネストで共闘しているように見えますがこれは熱い展開となるのでしょうか?
宇宙を消し去ろうとする蛇遣い座のプリンセスの目的にも触れられるのか、要注目です。
次回も乞う、ご期待!