OVA配信第2週は「エコール・ド・巴里」です。
『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』のアニメ化作品である本作、サクラ大戦OVA製作順では第3作目にあたり、主人公はこれまでと同じく大神一郎ではあるものの、舞台をこれまでの帝国華撃団花組からフランスの巴里華撃団へと移します。
対象がそれしかないためにどうしても桜華絢爛との比較になってしまうのですが、花組の結成をするにあたって世界観の情報や人物のエピソードを丁寧に積み上げていった群像劇テイストの桜華絢爛の見やすさと比べると、各キャラの主観重視でゲーム未プレイだと入り込みにくい印象を受けました。
ですが、純情かつ天然なシスター・エリカと気位の高いグリシーヌ、二人のパーソナリティと表面上は噛み合ってるように見える軽妙なコンビネーションを描いた1話、華撃団総司令グラン・マ&凱旋門支部長迫水の執拗な追撃に最後まで抗い続けるロベリアの逮捕劇の2話など人物の描写力に目を見張るものがあり、全体のストーリーラインは不明瞭なもののキャラクターには大いに興味を持てるようになる作品といったところでしょうか。
恐らくゲームをプレイしていればニンマリ出来るのだろうなと想像します。
惜しむらくはメインのエピソードがなかったコクリコと花火の印象の薄さですね。3話での大神とのコミュニケーションを見るに彼女達もなかなかの個性派であることが窺えるため、それをじっくりと堪能できなかったのは残念です。
第3話「恋する都市」は大神の視点によるチームの不和と結束、演習で危機に陥った花組の奮戦が描かれます。最終話で全体を俯瞰するエピソードを入れてくるのは前回の桜華絢爛を彷彿とさせます。
3話中で唯一描かれるロボ戦は、CGで展開される光武の殺陣が見所。光武の重厚なイメージを損なわず、しかし俊敏に技を繰り出す無人機と対等以上に渡り合う剣戟はその出来栄えには勿論、大神の技量の高さに感心させられる一幕です。
また大神が隊員たちから霊力(?)を授かりオープニングテーマ「御旗のもとに」が流れるラストバトルは是非とも見て頂きたいところ。
CGの光武と破損したコックピットから姿を覗かせる手描きのエリカが融合したアニメーションは2003年、17年も前の技術だと信じられない仕上がりです。
華撃団の絆を見たグラン・マの評を受けて、迫水は言います。
「恋に溢れたこの街を救うのも、また恋ということですね」
帝都から打って変わった舞台・巴里の有様、隊長と隊員たちの絆を"愛"と形容することで想起させる原作の恋愛ゲーム性、作品の在り方を的確に言い表した台詞に痺れます。
全3話中で最も秀逸なエピソードであると評価したいです。
なかなかに辛い評価をした部分もありますが、自分が原作未プレイのためであるのが大きいのでしょう。
巴里華撃団の個性的なキャラクターたちから原作が優れたコンテンツであることは漠然と察せられるのに、その深淵にまで到達できない……特に原作ファン向けOVAとしての評価を考える時に悩ましく思うところではあります。
今回のミリしらサクラ大戦視聴記はそもそもそういった状態で見ることを企画趣旨としているわけですが……。
来週はOVA「轟華絢爛」前半3話の感想記事となります。
次回も乞う、ご期待!
『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』のアニメ化作品である本作、サクラ大戦OVA製作順では第3作目にあたり、主人公はこれまでと同じく大神一郎ではあるものの、舞台をこれまでの帝国華撃団花組からフランスの巴里華撃団へと移します。
対象がそれしかないためにどうしても桜華絢爛との比較になってしまうのですが、花組の結成をするにあたって世界観の情報や人物のエピソードを丁寧に積み上げていった群像劇テイストの桜華絢爛の見やすさと比べると、各キャラの主観重視でゲーム未プレイだと入り込みにくい印象を受けました。
ですが、純情かつ天然なシスター・エリカと気位の高いグリシーヌ、二人のパーソナリティと表面上は噛み合ってるように見える軽妙なコンビネーションを描いた1話、華撃団総司令グラン・マ&凱旋門支部長迫水の執拗な追撃に最後まで抗い続けるロベリアの逮捕劇の2話など人物の描写力に目を見張るものがあり、全体のストーリーラインは不明瞭なもののキャラクターには大いに興味を持てるようになる作品といったところでしょうか。
恐らくゲームをプレイしていればニンマリ出来るのだろうなと想像します。
惜しむらくはメインのエピソードがなかったコクリコと花火の印象の薄さですね。3話での大神とのコミュニケーションを見るに彼女達もなかなかの個性派であることが窺えるため、それをじっくりと堪能できなかったのは残念です。
第3話「恋する都市」は大神の視点によるチームの不和と結束、演習で危機に陥った花組の奮戦が描かれます。最終話で全体を俯瞰するエピソードを入れてくるのは前回の桜華絢爛を彷彿とさせます。
3話中で唯一描かれるロボ戦は、CGで展開される光武の殺陣が見所。光武の重厚なイメージを損なわず、しかし俊敏に技を繰り出す無人機と対等以上に渡り合う剣戟はその出来栄えには勿論、大神の技量の高さに感心させられる一幕です。
また大神が隊員たちから霊力(?)を授かりオープニングテーマ「御旗のもとに」が流れるラストバトルは是非とも見て頂きたいところ。
CGの光武と破損したコックピットから姿を覗かせる手描きのエリカが融合したアニメーションは2003年、17年も前の技術だと信じられない仕上がりです。
華撃団の絆を見たグラン・マの評を受けて、迫水は言います。
「恋に溢れたこの街を救うのも、また恋ということですね」
帝都から打って変わった舞台・巴里の有様、隊長と隊員たちの絆を"愛"と形容することで想起させる原作の恋愛ゲーム性、作品の在り方を的確に言い表した台詞に痺れます。
全3話中で最も秀逸なエピソードであると評価したいです。
なかなかに辛い評価をした部分もありますが、自分が原作未プレイのためであるのが大きいのでしょう。
巴里華撃団の個性的なキャラクターたちから原作が優れたコンテンツであることは漠然と察せられるのに、その深淵にまで到達できない……特に原作ファン向けOVAとしての評価を考える時に悩ましく思うところではあります。
今回のミリしらサクラ大戦視聴記はそもそもそういった状態で見ることを企画趣旨としているわけですが……。
来週はOVA「轟華絢爛」前半3話の感想記事となります。
次回も乞う、ご期待!