彼と彼女が握ったもの

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【感想】スター☆トゥインクルプリキュア第3話「プリキュア解散!?スタープリンセスの力を探せ☆」

TVerの第3話配信ページです


 今回からプリキュアアラモードやHUGっと!でも見られた、キャラクターが視聴者側へと話しかけてくるアバンパート が追加されましたね。今回はひかるのみでしたが、今後他のキャラクターも追加されていくのか注目です。

 スターカラーペンダントから鳴り響く不思議な音を頼りに、おうし座のスタープリンセスを復活させたひかるたち。宇宙を守るため12星座のスタープリンセスの力を宿すプリンセスカラーペンを集めること、それを用いてフワを育てることがプリキュアに与えられたミッションであることが判明します。

190217 19;36;38 「スター☆トゥインクルプリキュア」3話感想 ケ 002



 今回のドラマ的見所は、その過程で衝突するひかるとララにありました。
スターカラーペンダントの謎を巡り、行動せずにはいられないひかるに対し、分析を用いての効率を優先するララ。互いの「手段達成プロセスの違い」に苛立ち、堅苦しいフルネーム呼びはやめてほしい(ひかる)ちゃん付けをやめてほしい(ララ)との言い合いになる始末。
前回提示された「ララは大人である。それらしく振舞おうと心掛けている」の情報を当て込むと、
自分なりに考えての提案を悉く一蹴するララにストレスを溜めていくひかるの姿は年長者に取り合ってもらえずに怒る子供のようであり、
逆に自分の欲求に正直にしか見えない・思いつきで思慮が浅いと決め込むララの不機嫌さはふざけている子供に厳しい大人の視線を感じます。




 次第にヒートアップしていく仲違い。
ララは「地球人の考えは分からないルン」と言い放ちますが、ひかるからすればひかる個人がどうこうの前に地球人だから(生まれた星が違うから)と一方的に拒絶されたかのように映るわけで……愉快ではありませんよね。
そのためひかるは、売り言葉に買い言葉で「大嫌い」と口走りかけますが、ケンカに心を痛めたフワの号泣と、直前のシーンで二人を仲裁した天宮えれなの「相手の話を聞いてみること」のアドバイスを思い出し、冷静に。
ララが聞く耳を持たなかった「ひかるの得た情報」とひかるが否定的だった「ララが実行させた分析」によって、スターカラーペンダントはスターカラーペンのレーダーではないか?との推論に辿り着き、見事おうし座のプリンセスカラーペンを発見します。
おや?と思われた方もいるのではないでしょうか?
プリキュアの解散危機はほぼ毎作直面する試練であり、ひかるとララの衝突に初代プリキュアの8話を想起された方は自分も含めて多かったのではないかと思います。
で、その初代の8話。些細なすれ違いから思わず聞くに堪えない言葉が口を衝いて出てしまい……の大喧嘩になってしまうのですが、スタプリのひかるとララは亀裂が生じかねないワードが出てくる直前に第三者によって仲裁されるという新しい方式を見せてくれました。
この第三者とは、喧嘩を悲しみ泣き叫ぶフワ、ひかるが言わんとすることを察して寸前に自制を求めていたプルンス、そして街中で二人を気に掛けて話しかけたえれなの3人です。
ひかるとララ、二人の関係性に軸足を置いているように思えたのがこれまでの作劇ですが、彼女達自身では収めきれない問題は周囲の人がサポートしてくれる。そういったまとまり方もアリなのだと、教えてくれます。

 一行が見つけたカラーペンを横取りするのは、新たに地球へ派遣されたノットレイダー幹部・テンジョウと彼女が指揮するノットレイの軍団。
両剣のビームサーベルで部下と共に戦っていた切り込み隊長型のカッパ―ドとは対照的に、多数のノットレイを指揮統率、効果的な戦闘陣形や攻撃のタイミングを指示してプリキュアを追い詰めます。
余談ですがテンジョウが用兵家として描かれているのは、デザインモチーフの天狗が持つとされる羽団扇を戦国武将が使った軍配団扇のそれに見立てていると思われます。

対するプリキュアも、敵と同じように戦術を練って立ち向かいます。
闇雲な攻撃は通用しないと悟ったキュアスターはミルキーに「分析」を依頼、今迄価値が見いだせていなかった「相手の長所」を認めた瞬間でもあります。
承ったキュアミルキー。二人は策を実行します。
二人同時に飛び上がった瞬間撃ち込まれるノットレイのビームをミルキーのシールドが防御、手を繋いだ二人は足場を作って威力が増したミルキーの突進で敵陣営に突撃。ミルキー・ショックにて攪乱した隙を突いて、テンジョウからペンを奪還。
そのままペンの力を得たスターの「おうし座スター・パンチ」で撃退します。

実行に移せる行動力と精度の高い分析。
突破力と広範囲の攻撃リーチ。

ひかる(キュアスタ―)とララ(キュアミルキー)の長所が組み合わさり、相乗効果を上げているベストな戦法です。


1話でも言及しましたがスタプリの戦闘描写の凝り方は目を見張るものがあります。
加えて、日常パートで描かれたプリキュアたちが経てきた感情の導線だったり教訓といったものがこれらアクションに至っていることが明白なので、「こだわりのある戦闘」として一人歩きせず、一つのパッケージとして楽しめる作りにしているのが面白いですね。

現状スタプリで巨大怪物(前作のオシマイダーに相当する存在)が出てこないのは、こうした戦闘スタイルの違いや敵味方間で発生する読み合いの面白さ、教訓を生かすフィールドとしての『戦闘』を際立たせるためなのではないか?と思います。


おうし座のプリンセスを復活させ、ひかるとララは互いに謝ります。
そして、ララは星奈ひかるのフルネーム呼びから「ひかる」と呼び捨てし、自分も「ララちゃん」から「ララ」と呼ぶよう求めるのですが、その際の台詞回しがとても粋です。

「その方が効率的ルン」


「ちゃん付けは嫌だ」ではなく、そう呼んでほしいとの滲み出てくるポジティブ感がありますし、
ララがよく口にする「効率的」の言葉を添えているのは照れ隠しもあるのかなと想像しちゃいます。
やはり今年のプリキュアの台詞センスはとても良い。


 一段落つき、仲良くドーナッツを頬張る一同。
プルンスは、プリキュアのチームプレイを振り返ります。

「それにしても力を合わせたプリキュアは強かったでプルンス~。
もっといれば、プリキュアはもっともっと強くなるでプルンスがね~」


 次回以降の”匂わせ”であるのは重々承知ながら、貪欲な妖精だなぁ……と微笑ましく思える一幕でした。



 思えば、コミュニケーションを取る上で最初の壁となる「言葉の違い」がフワとペンダントの力で早々に解消されたのは、それを経た後の「感情の受け止め合い」の方が高次であり難しいと思わせる狙いがあったのかもしれませんね。
現代に置き換えて考えれば、(異星間は当然まだですが)異国間の言葉の壁は技術向上によって超えられないこともないわけで(最低限のコミュニケーションに困らないレベルのやりとりに限ればですが)民生レベルにおいても通訳・翻訳用のスマートフォンアプリで享受出来る時代なんですよね。
そういった世相を織り込まれてのストーリー展開ではないのかなと思った次第です。





 次回は、

第4話予告 「チャオ!きらめく笑顔☆キュアソレイユ誕生!」となります。





今回、兄弟が多いため身に付いた面倒見の良さと気さくさを発揮した天宮えれなですが、さてさて如何なる経緯でプリキュアへと変身するのか……注目です。


次回も乞う、ご期待!

【感想】スター☆トゥインクルプリキュア第2話「宇宙からのオトモダチ☆キュアミルキー誕生!」

 龍騎TVシリーズ及び劇場版の綿密なリスペクト、そして光と闇を受け入れる新フォーム・ジオウⅡのお披露目が行われた仮面ライダージオウ。 
 1年間に及ぶ追いかけっこの結末もまた追いかけっこだった……という清々しい終わりを迎えた快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー。


TVerの第2話配信ページです。

 これら作品の先陣を切ってニチアサで放送された今回の2話でしたが……2話にして「これがスタプリらしい」と言いたくなる、自由奔放なひかるが彩る日常とブレークスルーを経て念願のプリキュア・キュアミルキーへと変身してみせるララのカタルシス、このコントラストが満足感をもたらしてくれましたね。
コントラストと言えば、プルンスがスタープリンセスやスターパレス等の事情を語る際のシリアス感、プルンスの胸の内と共に画面全体の影も強調され、良い起伏となっていたと思います(プルンスとひかるの会話でお気楽な雰囲気へと舞い戻るのは微笑ましい)。





190210 19;46;12 「スター☆トゥインクルプリキュア」2話感想 宇 026





 特に秀逸だったのが、ララは地球人換算で13歳なもののサマーン星の慣習では立派な「大人」として扱われているため、偶然遭遇したフワやプルンスを守り抜くことに重大な責任感を感じているという扱い。
AIが弾きだしたプリキュアになれる確立「0.000000012%」への拘り、宇宙食コスモグミを興味津々で摘んでみせるひかると対照的におにぎりを食す際に見せた一時的な抵抗、プリキュアになれるはずがないという思い込み……これら既成概念が心を取り囲む壁となり、ともすればリスクがある「新しい体験」よりも「安全圏」を選んでしまいがちな部分を含めて、「少女の姿をした大人」として描かれているのだと思います。
まるで、夢見ることを諦めてしまった大人のような……。


自分と同じ低確率であるにも関わらず、プリキュアになってみせた星奈ひかる。
プリキュアの使命を知ってもなお、マイペースなままで自分の好奇心を貫く星奈ひかる。


プレッシャーに晒されるララがそんな彼女に苛立ちを募らせるのは自然な流れでしょう。
であっても、彼女と接するひかるは統計の数字よりも「自分で望むこと」の重要性を説きます。

 そして物語終盤、ひかるたちはカッパ―ドらノットレイダーの襲撃を受けますが、キュアスタ―の「出来ないなんて決めつけは、なしだよ!」との後押しもあり、ララはキュアミルキーへ変身する奇跡を起こします。


「ありえん、奇跡が二度も起きるなど!」(カッパード)
「二度じゃないルン!昨日は星奈ひかるの奇跡!今日の奇跡は私のルン!!」(キュアミルキー)


 キレッキレで互いの信条がぶつかり合う会話劇。
前回の戦闘を回収しつつ、ひかるとララを同じ「敵」として一括りに見ていたカッパードの視野、あるいはノットレイダーという組織の思想が垣間見え、それに対し別個の存在であるからこそ繋がって得られるものがあるというプリキュアのテーゼが挑みかかる……こうしたやり取りを、本作の見所の一つとして毎週楽しめることを期待していきたいです。


 これら台詞は諦めかけていたララにひかるが贈った「私は私。ララちゃんは、ララちゃんだよ」と掛けているのですが、カッパードを撃退した後のやりとりでも非常に効いてきます。


「ララちゃんならプリキュアになれると思ったよ」
「私は私と言ったけど、違うルン。星奈ひかる、あなたがなれたから私もプリキュアになれると思ったルン」

 別存在であることを強調してから見せる、新しい扉を開いてくれたひかる、そして繋がりへの感謝。
何度も言いますが、今年は台詞のキレとそれを伝えるタイミングの絶妙性が凄まじい。
かくして、大人のララは望んだ奇跡を叶えるのでした。素晴らしい!



 あとここはかなり個人的に面白いと思ったポイントなのですが、ララは触覚から電流を流すことが出来るのですが(プルンスの肩マッサージに使用されていたので出力はそれほど強くないと推測できます。というかあの溶け方はヤバいと思う)変身したキュアミルキー状態では敵を蹴散らす電撃を放ち、立派な攻撃技として成立していました。
 これは変身前から持っていたスキルがプリキュアとしての戦闘力に活かされているパターンですよね。例えば元々バレー部に所属していたキュアサニーがその強みを生かした必殺技プリキュア・サニーファイヤーを使うような。
 想像力旺盛なキュアスターが初の宇宙空間戦闘を独特の戦法で制したように、キュアミルキーも元々ララが持ち合わせていた電撃を用いる……イマジネーションが元々持っていた素養を何倍にも引き上げてくれる、そういった意味合いなのかもしれません。



 次回は第3話「プリキュア解散!?スタープリンセスの力を探せ☆」となります。



惹かれ合い仲が深まれば、衝突するもまた必然。ひかるとララの関係の行方も気になる所ですが、いよいよの雨宮えれな本格登場にも期待してしまうところ。



 次回も乞う、ご期待!

香村純子脚本のニチアサから読む【呪いからの解脱、そして、新世界へ】

 元々この記事は、先のルパパト総括記事の後半部分として投稿する予定でしたが、本来の記事の趣旨からは外れてしまうとの判断で、脚本家・香村純子氏が"ニチアサ"で描いた人間論、そこには何が込められていたのか?を個人的に考察した単体記事として投稿することとしました。
(このような経緯ですので前述のルパパト総括記事に目を通されていると、より分かりやすく読めると思います)。
 
 スクリーンショット (7118)



 では、本題に入ります。


 ルパパト、魁利と圭一郎の視点に絞って考察し続けた結果、脚本家・香村純子氏が描く人間ドラマの基盤が見えてきたような気がします。
 それは、自分で設定した一つの価値観・基準、あるいは競争という思い込みに囚われ苦しむも、仲間として受け入れた他者からの祝福を受けて、真剣に自分という存在と向き合い、誇れるアイデンティティを獲得し、自分が求める新たな道・新たな世界へと歩みだしていく人間個人の壮大な物語です。


 ルパパトにおいては勿論のこと、氏がこれまで執筆された各作品からもそのメッセージが見て取れます。ここで全てを取り上げることは出来ませんが、それらを振り返ってみましょう。

 例えば、メインライターを務めた動物戦隊ジュウオウジャーの風切大和は母の遺言「同じ地球の生き物同士は繋がっている」をポリシーとしていますが、これと相反する父親との確執という問題に悩まされるも、大和とバドの深い縁を繋いだ存在であることが明かされて和解。
同じくジュウオウジャーの問藤操も、コミュニケーションが不得手な自分を卑下する性格が強調されましたが、最終回ではラリーと共に人間・ジューマンの共存に向けて尽力する姿が描かれました。
(ちなみに、ルパパト総括記事でも言及したように共存という作品テーマや風切大和の信念を受け継いだ存在が、ルパパトの高尾ノエルと言えます)。

 きだつよし氏と共に実質的なダブルメインライターを担当した仮面ライダーウィザードにもその傾向があり、
香村氏が多数活躍回を担当した仮面ライダビーストこと仁藤攻介は、重すぎる使命のせいで一人で焦り悩む印象が強い主人公・操真晴人とは異なる、自由奔放でポジティブしかし責任感が伴うライダーとして晴人と共闘するキャラクター。晴人と仁藤の対比がどこか魁利と圭一郎のそれを思わせるような気もします。
そして、劇中、ゲートである少年・譲に自転車に乗れるよう仁藤が練習に付き合うエピソード(ウィザード40話・香村脚本回)があるのですが、これはルパパト14話で幼稚園児が楽しみにする遠足を守るために、文字通り死力を尽くす圭一郎の「頼れるお兄さん」のイメージとも似ている気がしますね。



 またキラキラ☆プリキュアアラモードでは、パティシエとしての力量差と嫉妬から生じたすれ違いで別離する双子シエル(キラリン)とリオ(ピカリオ)の物語を主に担当しており、これは前述した魁利と圭一郎(あるいは魁利の兄)の物語構造とかなり似ていて、二人が辿り着いた結論はどんな困難があろうと共に好きなスイーツ作りを続けていく、というものでした(自分の求めることを希求し続ける姉弟という点では勝利・魁利兄弟に似ていて、別たれた道を選ぶという意味では魁利・圭一郎と真逆になるという構図も面白い)。
また、あおいがメインを張る第27話では、憧れのバンドボーカル・ミサキと競合する形で野外フェスへの出場が決定。集客率から圧倒的な差を見せつけられたあおいは苦悩し、エリシオによって洗脳されます。が、音楽が好きであることを再認識し、今後も自分の全てを音楽にぶつけるという決意で自分を取り戻します。


またGo!プリンセスプリキュアの各話からもそれが窺えるのですが多いので、以下、特徴が強い話を簡易にまとめます。


第15話「大変身ロマ!アロマの執事試験!」
 ロイヤルフェアリー・アロマが夢の第一歩である執事試験に挑むも、不合格。自暴自棄に陥るが、執事の本当のあり方を学び、再起を誓う。

第17話「まぶしすぎる!きらら、夢のランウェイ!」
 母親であり世界的トップモデルでもあるあるステラと同じファッションショーのステージに立つきらら。母親の存在感と洗練された立ち振る舞いに圧倒され一時的に自信を喪失するも、母親の愛情を実感し、今度は親子でトップモデルになることを夢見る。

第23話「ず~っと一緒!私たち4人でプリンセスプリキュア!」
 念願のキュアスカーレットへと変身したトワだが、トワイライトとしてプリキュアと戦い人々傷つけた罪悪感に苛まれる。しかし、温かいものを教えてくれた望月ゆめ、仲間として受け入れるキュアフローラたちとの交流を得て、仲間となる。


第38話「怪しいワナ……!ひとりぼっちのプリンセス!」
 クローズの策略もあり、はるかは自身の夢を持つきっかけを作った張本人カナタから「プリンセスになんてなるな!」と言われ、絶望する。

第46話「美しい……!?さすらうシャットと雪の城!」
 『美しさ』を求め続けるあまりついにシャットが、絶望、暴走する。
浄化の後、スカーレットは自らの体験と共に外見上ではなく、温かく大切な物を守る姿にこそ美しさがあるのではないか?と別の『美しさ』のあり方を説く。


 特にゴープリでの香村氏は、元々プリキュアと敵対していたものの仲間となる紅城トワのエピソードを多々担当しており、罪過を避けて通れぬ苦悩はルパパトの快盗陣営のストーリーに通ずるものを感じます。


 キラプリはパティシエ、ゴープリはグランプリンセスあるいは各々が叶えたい夢、と言ったように登場人物の目標が明確化しており、そもそもその作品性故他者との比較、絶望という展開が多い傾向なのでは?も否定は出来ませんが、それでも香村氏の作家性を象徴しているのではないか?と感じます。

 そして、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』もこの話題において欠かすことは出来ないでしょう。
 ご存知の方も多いと思いますが、本作はルパパトと同時期放送作品の劇場版で、香村氏はTVアニメ版には参加していません。
にも関わらず、このオールスターズメモリーズは、初代の「ふたりはプリキュア」と最新作「HUGっと!プリキュア」、そして歴代プリキュアが活躍するオールスターズ映画、この3つの魅力を高いレベルで満たす傑作映画として仕上がっています。




 それはなぜか?


 読み解く鍵は、香村氏が重視した『他人を競争相手・比較対象であるとの認識を改めること』と『自分と向き合って獲得するアイデンティティ』にあります。
 前者は、自分とタイプが違う女の子と共に戦わねばらならないというスタートを切った初代プリキュアのテーマと、
 後者は、自分を取り巻く残酷な現実と向き合って、それでもなりたいものを目指していくハグプリの思想と、それぞれが近い所にあったから、合うべくした合った結果だと考えます。

 またこの映画には、
絆を諦めなかった初代チームの姿に、一度諦めかけてしまった"後輩プリキュア"のキュアエールことはなが気づかされるシーンと多くの他者と違い自分だけが"記憶"を持っていないことに悲しんでいたミデンの思いに唯一キュアエールだけが気づき、ミデンの解放を望む彼女の決意に他のプリキュアが賛同支援するというシーンがあります。

 持たざる者として自分を卑下するミデンは勿論、自分に出来ないことをやってのけた先輩から学び、そして自分が信じるポリシーを貫き通したキュアエールの姿は、香村氏の「自分で植え付けた呪いから解放され、自分らしさを獲得していく人間」が表現されています。


 そして、同映画の結末も他作品の帰結と同様に「自分らしく歩いていくこと・歩いていける」と言える着地をします。





 ここでナイジェリアの作家ベン・オクリの言葉を引用します。


人が間違いなく持っている力、それは何かを作り、乗り越え、堪え忍び、変え、愛し、苦難に打ち勝つ力だ。




 香村純子氏が綴る物語が発する力は、まさしくこれではないかと。
 氏が筆を取った物語は、人間の「良くも悪くも」を徹底的なリアリティで表現し、翻弄し、読み解く側は身に沁みて知っている「良くも悪くも」に想像力を使い、残酷な世界の現実を痛感します。
しかし、人間という生き物は、最後には乗り越えていく。目の前に開いていく新たな世界へ踏み出していく……そういった希望の提示は残酷ではなく、世界の広さを認識できる方向へと人々の想像力を喚起させる。これが人々の心を打つ作品として称賛を受ける所以ではないでしょうか。


 ルパパト後の香村純子氏がまた新たな作品で健筆を振るわれるであろう……との一ファンの勝手な期待をこの記事締めくくりの言葉とさせていただきます。



次回も乞う、ご期待!




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